この部分はゲノムの他の部分よりGCコンテンツが高いことが知られています。
制御領域を次世代のシーケンサーで読んで、その変異を調べようという研究がありますが、それは注意が必要だ、というレポートを見つけました。
その名も、「Next generation sequencing has lower sequence coverage and poorer SNP-detection capability in the regulatory regions」
このレポートでは、Cancer Genome AtlasからIlluminaとSOLiDのデータをダウンロードして、まずマッピングをたくさんのツールで行って比較しています。
比較しているのは、マッピングツールは
- Bowtie
- BWA
- SOAP2
- RMAP
- ZOOM
- Maq
- Novoalign
- SHRiMP
- MAQ
- SOAPsnp
- SNVmix
マッピングツールのサマリーは、サプリメント資料に詳しくあります。
Smith-Waterman alignment系、Burrows-Wheeler transform系、Hash Table系、とそれぞれ。
マッピングプログラムの比較をまとめた論文は良く見かけるのですが、このレポートでは単にどれが速い・低メモリー・高カバレージだ、というのにとどまらず、タイトルにもありますが、
GC%が高い制御領域は、ゲノムの他の領域と比べてマッピングカバレージが極端に低い
よってCpG island などの制御領域でSNPを見つけたいときは気をつけよ!
と言っています。
私も今まで、カバレージと言っても、ゲノム平均カバレージ、あるいは遺伝子平均カバレージにのみ注意が行って、遺伝子の中の5'-UTR, Exon, Intron, 3'-UTR と分けて考えたことは無かったのでなるほどと思いました。
ちなみにこのレポートでは、
- BWT系のマッパー(Bowtie, BWA)がイルミナデータのマッピングには、ペアエンド、シングルリードのどちらでも最も成績が良かった。
- SOLiDデータのマッピングには、NovoalignCSが最も良かった。
- SNP検出はMAQが一番良かった。
ただ、なんとなくですが、無難な結論ではあります。
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