2016年1月26日火曜日

Biomatters ニュージーランドのNGS解析ソフト会社 安くても高機能

私のことを個人的に知っている方なら、以前、NGS解析ソフトといえばCLC-Bio!みたいなことを言っていたのをご存知でしょう。

CLC-BioのGenomics Workbenchは確かに、良くできたソフトです。
NGS解析ひと通りのことはできる。
マルチプルアライメントやBLASTなど、普通の配列解析もできる。
プラグインを使えば(有償、無償いろいろある)、解析の幅も広がる。
サポートをやっていたので贔屓にしていましたが、お客さんから言われた欠点らしきものといえば、価格が高いこと。
確かアカデミックで、70万円以上+年間アップデート費

限られた研究費で、実験にお金をかけるのはともかく、ソフトウェアにはできればあまりお金をかけたく無い、というのも良く耳にしました。
だから無料トライアル期間を利用して解析を一気にやってしまおう!という考えの方もいらっしゃった。
その気持ち、わかります。

でも、もっと安いソフトがあれば、使用制限無しに使い倒せば良い。

CLC-Bio社の創設者がかつてオックスフォード大学に在籍していたとき、同じ大学のもうひとりの研究者も、配列解析のソフト会社を作りたいと考えていました。
そして、ひとりはデンマークでCLC-Bio社を立ち上げ、もうひとりはニュージーランドでBiomatters社を作った。
お互い、配列解析ソフトウェア専門の会社。
コンセプトは若干違うものの、ふたりとも、「バイオインフォマティシャンではないウェット研究者でも使えるソフトウェア」を、世界中に普及させた。

日本でCLC(現キアゲン)の方が知名度が高かったのは、いち早く代理店制を取り入れたから。私も結構あちこちで宣伝しました。ええ。

Biomattersは遅れながらも昨年ようやく、トミーデジタルバイオロジー(株)と代理店契約を結んだ。
ということで私のPCには現在、BiomattersのNGSソフトウェア「Geneious」が入っています。
正直、使いやすさは良いです。
一般的な配列解析(NGS以外)は一通り揃っています。
NGS関連だと、アセンブリ、マッピング、変異解析、16S解析(パイチャート作成まで)、などなどはOKです。
ChIP-Seqはできない。

GUIはまあまあ。すごくかっこ良いというわけでは無いけれど、ダサくも無いかな。
一番の売りは、低価格ということと、無料のプラグインが多いこと。

低価格というのは、他のソフトと比べて、という条件付き。
ざっくり、Genomics Workbenchの半額以下です。

あとは、3月25日まで、2本買うと1本無料で付いてくるキャンペーンやってます(アカデミック価格で税抜き)。
ソフトウェア3本買って30万円未満!
ということは1本10万円!
ね、安いでしょ。これならもう、トライアル期間で解析しちゃえ!なんて思わないでしょ?(笑)
もちろん、トライアル期間も無くは無いです。



このソフトは買取りです。
2年目からは、アップデートフィーがかかります。

さらに、もしあなたが学生さんなら、1本、78,840円で買うこともできます!
安いでしょ? 詳しくはこちら下のほうをチェック。

安くても、機能はかなり充実しているソフトウェアです。それは保証します。
世界のシェアも実は1位かもしれない。ですよ。


こちらのイベント、「第二回PacBio現場の会」もよろしく
Geneiousの質問もあればこのときにどうぞ

2016年1月13日水曜日

マクロジェンが超高速NGS解析サーバ「Dragen」を採用!

またまたPAGからのニュースです。
あの韓国のマクロジェン社が、”大規模ゲノム解析と臨床シーケンス解析サービス向けにビッグデータのプロセシング・解析機能を強化するため”、NGS解析サーバにDragenを採用したとのこと!
詳細はこちら

Dragenといえば、前回も3回にわたって紹介しました、超高速NGS解析サーバです。

このサーバが韓国の大手ライフサイエンス企業に採用されたということは、それだけ信頼があるということ。

超高速なのは間違い無いです。
例えば、HiSeq2000のペアエンドデータの解析の場合、FastqのマッピングからVCFまで、30~100カバレッジ程度であれば、長く見積っても1時間もかかりません。
カタログなどで30xが20分、とありますが、あながちチャンピオンデータでも無いです。

BCLからFastqへのConvertについても、HiSeqの1レーン程度のデータ量であれば数分。
ちょっとあいまいな言い方ですが、データ量によります。でも10分程度と見ていれば大丈夫です。

さて、ここまで速いと、信じられないと思います。
やっぱり実機を見たいですよね。

用意しました!

順調に行けば、2月23日(火)の、「第二回PacBio現場の会」ワークショップ@秋葉原、でお披露目できるはずです。

見たいかた、速さを実感したいかた、は、PacBioに関係なくても是非この機会にワークショップにご参加下さい。
もちろん無料セミナーです。

参加はこちらからご登録下さい。

「第二回 PacBio現場の会」ワークショップセミナー [PBWS]
2/23 (火) 参加無料 10:15-17:30(9:45受付開始。終了時間は若干変更の場合あり)

プログラムは、姉妹サイト「パックマンの挑戦」で2月上旬にアップデートする予定です。

MiniSeq !? MiSeqの立ち位置は?


前回、学会の期間中は新製品の発表が良くある、って書きましたが、なんとイルミナから出ました。
その名もMiniSeq

ぱっと見、NextSeqに似ていますが、サイズはMiSeqよりも小さいようです。
そして使い勝手が良くなったとのこと。
スペック的にはMiSeq v2とあまり変わらない。
Specification Sheetから抜粋

High outputモードでのスループット
  • 2x150bpが、24時間でアウトプット6.6~7.5 Gb
  • 2x75bpが、13時間でアウトプット3.3~3.75 Gb
  • 1x75bpが、7時間でアウトプット1.65~1.875 Gb

Med-Outputモードでのスループット

  • 2x150bpが、17時間でアウトプット2.1~2.4 Gb


今はまだリサーチオンリー機器なので、そのうち、MiSeq Dxのように、MiniSeq Dxなんてのが出てくるんでしょうね。
そうするとMiSeqの立ち位置は?




2016年1月11日月曜日

企業買収は学会中に多い説

イルミナ社がCancer Testingのスピンオフベンチャー、GRAILを発表
Bill GatesやJeff Bezosも出資しているというから、注目されることは間違いない!
イルミナ社といえば、確か昨年も1月に、新製品HiSeq4000 を発表したと思います。

外資系企業は大抵1月に、大きな組織変更がある。
それに合わせて新たなビジネスモデルや新製品の発表をすることは、さほど珍しくはないでしょう。

偶然かもしれませんが、大きな学会に合わせて発表するケースもあります。

今がPAG(Plant Animal Genomics学会@サンディエゴ)ですので、イルミナ社の新たなスタートアップの話もそうでしょう。
もうひとつ、サーモフィッシャー社によるアフィメトリクス社の買収も先日ありましたね。

サーモフィッシャーと言えば、2013年のライフテクノロジーズ社の買収発表も、シンガポールで行なわれていたHuman Genome Meetingの2日目でした。
同じく2013年秋のAmerican Society of Human Genetics学会では、最終日、キアゲン社によるCLC-Bio買収の発表もありました。

2014年、2015年はちゃんと時期を覚えていないのですが、ロッシュ社、イルミナ社などによる大型買収はたくさんありました。

学会はたくさんあるので偶然と言えば偶然でしょうが、大きな学会の直前には新製品や新サービス、会社買収の発表があるように思います。

ということで、次回の注目は、
AGBT 2月中旬
ICHG 4月上旬

さて、次はどの会社がどんな新製品を出してくるのでしょうか!
楽しみですね。