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PacBioのシーケンサーは、今までβバージョンをThe Wellcome Trust Sanger Instituteや、Cold Spring Harbor Laboratoryなど、全世界11か所の研究所に特別に出荷していました。
それが今回、正式にリリースされたということです。PacBioといえば、昨年、ハイチのコレラ菌をシーケンスして、それが東南アジアと近縁だということを示した論文が出ていました。(こちら)
PacBioのシーケンサーは、他のシーケンサーと異なりDNA増幅を行わないので、1分子から読むことが可能です。
そして何と言ってもその特徴は、
リードの本数は少ないが、長く読めて、ランにかかる時間が短い
ということでしょう。
およそ35,000本のリードを出力し、リードの長さは平均850~1,500塩基、ランタイムは40分
1ランあたりのコストは$100程度と言われています。
SOLiDやHiSeq等と比べると、1ランあたりのコストは安いですが、1塩基あたりのコストは高いと言えるでしょう。
しかし、一分子で読めるということ、そして理論的には1,500塩基以上の長配列も読めるというということは、今後大きなブレークスルーになることは間違いありません。
結構 でかっ ! 重量800kg だそうです。
これは私の想像ですが、今や世界一多くの次世代シーケンサーを保有する中国のBGI(深圳)と、アジアのバイオ・ハブを狙うシンガポールのゲノムセンターは、この新型シーケンサーをすでに持っているか、近々持つことになるでしょう。
日本では、私は、そういう噂はまだ聞いたことがありません。
PacBioは、機械だけをつくってはいおしまい、というのではなく、ちゃんと解析アルゴリズムも用意しているそうです。
PacBioデータ特有のLong Readに対応した、アセンブリ、マッピングアルゴリズム、SNP検出アルゴリズム、等々。
私はまだ試していませんが、プログラムを公開しています。デモデータ(E.coli)付きです。
DevNetサイト(登録必要)から落とせます。
PacBioは、私がいま一番気になっている会社のひとつですね(別に株式を持っているわけではありませんが)。
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