2010年10月18日月曜日

Genome Analyzer II & HiSeq 2000

イルミナ社の次世代シーケンサーは4種類ある。
世界で一番使われている型の Genome Analyzer IIx (GAIIx)
汎用型を目指したGAIIx よりちょっと安い Genome Analyzer IIe
最も高性能ハイスループットのHiSeq2000
マイクロアレイのスキャナーと一体型の HiScanSQ

イルミナ社の思想は、「シーケンサーをどのラボでも使えるように」 なので、使いやすさを優先しているようだ。 
できるだけ簡単な操作性、これは正しいと思う。 出てくるデータも塩基配列なので直観的に扱いやすい。 SOLiDのカラースペースと比べるとここは大きい。

Genome Analyzerは世界で最も使われている高速シーケンサーだ。
当然論文数も多いので、この辺はアカデミアの人間には嬉しい、というか安心できるところ。
もともとのテクノロジーはSolexaという会社が考えたもので、フローセル上に固定したフラグメントDNAを、1塩基ずつポリメラーゼ伸長していく。 このときA,T,C,Gの4種類のヌクレオチドとそれぞれ4種類の蛍光色素が1つ、取り込まれ、それ以上は取り込まれない。
リバーシブルターミネーションと言われるその方法で、1つずつポリメラーゼ反応を進めては止め、また進めては止める。 一度の反応で4種類の蛍光=塩基がCCDカメラで観測される。 (ロッシュ454の場合は1度に1種類の蛍光を観測する) つまり、50塩基の読み取りには50回の反応が必要になる。

シーケンスとポリメラーゼ反応を同時に行う。 そこで Seqencing by Synthesis と呼ばれることもある。 ポリメラーゼ反応というわりには、ライゲーション反応のSOLiDと比べると試薬コストが高いように思う。

イルミナのシーケンサーはショートリードであるので、ライバルはSOLiDだ。
リードの精度はどちらも高い。
スループットはSOLiDに軍配が上がるが、どちらも十分高い。
こうなってくるとユーザはどこを基準に選択したら良いのか?
自分で実験するなら、使いやすいかどうか、操作性、ランニングコスト、メーカーサポートの質、を基準にすると思う。 イルミナはこの点に加え、世界中にユーザーが多い、という優位性があるので選ぶ人も多いだろう。

僕の印象だが、イルミナ社はライバルメーカーと比べて若干閉鎖的。 
ユーザーミーティング以外にも、まだユーザーでない一般のひとに対して、あるいはシーケンサーを持っていないのだがプロジェクトの一員であるひとに対して、もう少しオープンにしてくれればうれしい。

なので、僕は必要な情報はWikiなどで得ている。たとえばここ。
http://seqanswers.com/
結構スレッドを立てると、誰か答えてくれるので、不満はない。
ここでも、イルミナのユーザが圧倒的に多いふうに思う。

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